2度目のネットランナー(0) 「はじめてのネットランナー」(前編:ルール編)

  • 2020.01.20 Monday
  • 21:45


はじめに

 

トレーディングカードゲームの様な多彩なカード効果と、ドキドキの読み合いが合体した唯一無二のカードゲーム。ようこそ「アンドロイド:ネットランナー」の世界へ。

このエントリーは「アンドロイド:ネットランナー 第2版」をはじめて遊ぶ方のために一部ルールを抜粋し、自分なりの解説を加えたガイド的な読み物です。
内容物の説明や用語集、詳細なルールなどの多くは省略しています。この記事を読んで疑問が生じた場合は改めて付属のルールブック「ビギナーズガイド」を参照してください。

尚、既に何度かプレイされているという方はメニューのcategoriesから「アンドロイド:ネットランナー」をクリックし、よかったら他の記事ものぞいて行ってみてください。戦略やデッキ構築について書いています。

ネットランナーは30〜60分を想定した2人専用のゲームですが、プレイ感が独特なため、一般のボードゲームに比べ慣れるまではプレイ時間を要します。初回はインスト時間などを除き、1〜2時間程度は見ておいて下さい。

今回の記事では日本語版の「アンドロイド:ネットランナー 第2版」の使用を前提としています。「第1版」用としても使えなくはないと思いますが、収録カードの内容や一部コンポーネントに関して異なりますのでご了承ください。

 

 

■みんな大好きサイバーパンクだよ

 

ルール説明の前に少しだけゲームの世界観を説明しましょう。

ネットランナーはアメリカンゲームらしく、とてもフレーバーが大事にされています。設定が素晴らしいだけでなく、世界観を理解する事でルールやカードの効果をスムーズに理解出来るようになると思います。


アンドロイドネットランナーは「サイバーパンク」と呼ばれる近未来のディストピア社会を描いたSFがテーマとなっています。

情報の多くは電子化され、街には人間の代替労働力としてクローン体や「バイオロイド」と呼ばれるアンドロイドが溢れています。空はビルとネオンサインとに囲まれ、その間を縫うようにホバーカーが行き交うでしょう。

舞台となるのは「ニューアンゼルス」という南アメリカに築かれた都市です。街の中心地には「豆の木」と呼ばれる軌道エレベーターがそびえたち、それを建設した「ウェイランド・コンソーシアム」という巨大企業が、他の数社と共に都市運営の実権を握っています。彼らは人々に快適な暮らしと発展を約束しつつも、裏では黒い噂が絶えません。

それら巨大企業は俗に「メガコーポ」と呼ばれています。そうです。このゲームで一方のプレイヤーが担当するのが、この「メガコーポ(略して「コーポ」)」なのです。
対してもう一方のプレイヤーが担当する「ランナー」は、コーポから「計画書」と呼ばれる重要情報を盗み出す事を目的とするハッカーです。
彼らは様々な理由でコーポから「計画書」を盗もうとしています。それはコーポに対する告発やテロの意味であったり、己の技術の誇示や腕試しであったり、はたまた単なる金目当ての犯罪であるかもしれません。

巨大企業「コーポ」と凄腕ハッカー「ランナー」のネットワーク上での、或いは現実世界に及ぶ戦いを描いたのが「アンドロイド:ネットランナー」なのです。

 

■セットアップしよう

 

まずはコンポーネントを確認してみましょう。

ネットランナーは「ランナー」と「コーポ」という2陣営に分かれて対戦する2人用ゲームです。
ランナーとコーポはそれぞれ40枚以上のデッキを用意し、トレーディングカードゲームの様に手札を引いてカードを出しゲームを進めます。
「アンドロイド:ネットランナー 第2版」には初回プレイに向いたおすすめデッキが用意されています。

今回はそのおすすめデッキを使用しましょう。「ビギナーズガイド」の4Pを参照し、箱からカードを抜き出して下さい。裏面赤がランナー、青がコーポのカードです。
このとき1点誤植があるので気を付けて下さい。「HQインターフェース」というカードは2枚ではなく1枚が正です。

 


カードを抜きだしたら、コーポ/ランナーそれぞれIDカード(コーポ「ウェイランドコンソーシアム『W』、ランナー「ガブリエル・サンチャゴ」)を除いて束ね「デッキ」として利き手側に配置します。IDカードだけは別にして、そのやや内側に置いておきましょう。

続いて「コーポ/ランナーのアクション」一覧のカードと、6角形のマスが書かれたクリックカウンターの台紙カード(コーポ3マス、ランナー4マス)も箱から出して自分のプレイエリアの脇に置きます。

クレジットトークン(1金、5金)は共通の「バンク」として、互いの手の届く位置にまとめておいて下さい。

両者、ゲーム開始時の所持金1クレジット×5枚をバンクから受け取り、金額が分かるように並べます。「1」と書かれている面を上にしましょう。

6角形の「クリックカウンター」をコーポは3つ、ランナーは4つ受け取り、明るい色の面を上にして先程出した台紙カードの上に並べます。

それ以外のトークン類とカードは今回のゲームでは使わないので箱に戻しましょう。

下図の様な感じにセット出来ていればパーフェクトです。

 

<ランナー>

 

<コーポ>

 

ゲームをはじめるための下準備はできました。まずは盤面の見方から確認しましょう。

 

■盤面の見方

 

このゲームの主な舞台はコーポ側の盤面です。コーポがカードを置いて盤面が徐々に構築されていきますが、ランナーもコーポ側の盤面に注目することになります。

そして盤面上のカードの置き場所には、それぞれ特徴的な名前が付けられています。

それらはある程度覚えて慣れた方がゲームがスムーズに進むかもしれません。カードやルールブックをはじめとしたあらゆる箇所にそれらの名前が使われているからです。

「用語を覚えて下さい」と書くと「出た!噂どおりの専門用語のオンパレードか」と思う方もいるでしょうが、そんなに構えないで下さい。こわくないです。

これから登場する幾つかのゲーム内の用語は、他のゲームで言う「生産施設」や「労働者」と変わりありません。

例えば「生産施設」が建物の描かれた紙のタイルを指し、「労働者」がカラフルな木のコマを指すのだとすぐにピンと来るのなら、それはあなたが似たようなゲームを何度かプレイした事があるからです。

対してネットランナーは独自性の強いゲームなので、あなたは似たようなゲームをプレイした事がないと思います。はじめての体験、はじめての言葉、はじめての世界に出会うのではないでしょうか。

しかし(システムやフレーバーの好みは別として)、そもそもゲームではじめての体験やはじめての言葉に出会うのが嫌な人はボードゲームやカードゲームを好んでプレイしないと思うので、僕はネットランナーの用語やシステムは大した壁にはならないと信じています。

従って、このゲームを数回プレイした後であるならきっと、カードを表にする行為は「レゾ」としか呼べなくなるし、山札は「R&D」にしか見えなくなるのではないでしょうか。

尚、実際にゲーム中で使われる頻出語は10個程度です。具体的には「クリック」「インストール」「レゾ」「アイス」「アイスブレイカー」「ラン」「アドバンス」、後述のサーバー名4つくらいでしょうか。それらはプレイしている内に世界観と共に勝手に覚えますので、はじめからマスターする必要はありません。ルールブックの情報洪水に飲み込まれないようにしましょう。

ちなみにどちらかのプレイヤーがルールに精通しているなら、全く覚えなくても初回は遊ぶことが出来ると思います。

 

余談が過ぎました。では、盤面の説明に戻ります。

コーポの盤面は、大企業のネットワーク図のようなものだと思ってください。簡単に言うと、情報を貯めておくデカいパソコンみたいなものが複数あって、それらが表からは分からないケーブルのようなもので繋がっていると思っていただければと思います。

コーポはここで電子データである「計画書」を守って育て、ランナーはネットワークを介して外部から盗みに入ります。計画書を含むカードが置かれている場所はデカいパソコンで「サーバー」と呼びます。サーバーは大きく中央サーバー(本社)と、遠隔サーバー(支社)に分かれます。

 

<コーポの盤面>

 

図のようにIDカード、山札、捨て札が中央サーバー、それ以外が遠隔サーバーにあたります。それぞれの上部に横向きに置かれているのは「アイス」と呼ばれる防護壁です。

中央サーバーはさらにそれぞれ名前がついています。ここでそれぞれの名前をご紹介しますが、少しフレーバー的な補足をさせて下さい。

 

「ウェイランド・コンソーシアム」のIDカードの置かれた場所がありますね。ここは本社ビルの、特に会議室を指します。会社のCEOはここでプロジェクト推進やセキュリティに関する決定を下します。

その様な場所は一般的に「HQ(ヘッドクォーター)」とよばれる事があります。会社のCEOは様々な「手札」を握っています。企業の顔であり、CEOが手札とその扱いを決定する場所です。

従って「HQ」は会社の司令塔であり、ゲーム的にはコーポの手札を示す、と覚えておいてください。

 

<HQ>

 

そしてコーポにとって一番重要なのは、プロジェクトの元でありゲーム内では得点となる「計画書」です。GOの下った計画書は支社に移され、そこで計画が推進されます。本社では進めません。支社で計画書などを保管し開発を進める場所は「遠隔サーバー」と呼ばれます。「遠隔サーバー」は計画書を置く場所、と覚えて下さい。また計画の進み具合は「アドバンストークン」と呼ばれる無地のトークン(1クレジットの裏面)で示されます。


<遠隔サーバー>

 

話は少し戻りますが「計画書」には立案者が必要です。社長が一人でプロジェクトを生み出すわけではありません。会社規模ともなると、それを部署として有しているのが一般的でしょう。

研究・企画を行うを部署を「R&D(リサーチ&デベロップ)」と呼ぶことがあります。ゲームでは山札に相当します。ここから様々な計画書などのアイデアがHQに送り込まれるのです。

「R&D」は計画書等を立案しているところでゲーム的には山札を示す、と覚えておいてください。

 

<R&D>

 

最後に、実行し終わった資財やボツになった書類などを保管しておく場所があります。いわゆる資料室です。英語で言うなら「アーカイブ」です。会社資産はたとえ破棄されたものでもその辺に放置しておくわけにはいかないので、必ずこの「アーカイブ」に保管されます。「アーカイブ」は過去の資料の保管場所でゲーム的には捨て札を示す、と覚えておいて下さい。

 

<アーカイブ>

 

各サーバーは機密書類の保管場所なので、ちゃんとした企業であるコーポはセキュリティもちゃんとしています。厄介なランナーへの対策として「アイス」と呼ばれる、侵入者を阻む電子的な防護壁をネットワーク上に敷いています。ゲーム的には前述のとおり各サーバーの上に横向きに配置されているカードがそれです。

コーポについてはひとまずこれくらい分かっていれば大丈夫でしょう。

 

一方、ランナー側の盤面には特筆すべきことはありません。

場は「山札」「捨て札」「場に出したカード」くらいの区別しかありません。ルールブックでは「プログラム」「ハードウェア」「リソース」の置き場が指定されていますが、置き方はゲームに影響しません。なんとなく同じ種類をまとめて置くくらいで良いでしょう。またそれぞれが何を示しどんな効果を持つかは、プレイしながら知れば十分です。

ランナーの場合、コンピュータのメモリ管理領域の名前から取って山札を「スタック」、捨て札を「ヒープ」と呼びます。手札は「グリップ」盤面は「リグ」です。

これらの名前はコーポ側に比べて重要度が低いです。それよりランナーもコーポの盤面を先に覚えましょう。

 

<ランナーの盤面>

 

コーポの盤面の見方が分かれば、このゲームの半分を理解したことになるでしょう。

ネットランナーはランナーだけがコーポのカードのオモテ面を見るという事態がたびたび発生します。先に挙げた10個程度の単語はどちらかというと覚えた方が良いものですが、初回プレイではルールブックを開いたままにしておいたり、「R&D」「HQ」「アーカイブ」と書かれた紙を置いておくなどでフォローするのも良いと思います。

 

■勝利条件

 

ランナーとコーポ、両陣営の勝利条件は共通して「計画ポイントを7点以上獲得する」事です。
「計画ポイント」とは一般的なボードゲームの勝利点に相当します。「計画書」という種類のカードを獲得する事で計画ポイントを得ます。
入門デッキには計画ポイント「2点」の計画書と「3点」の計画書が存在します。得点はカードの真ん中左に書かれています。枚数は2点のカードの方が多いという認識で今は十分でしょう。

「7点」以上で勝利で、得点カードが「2点」または「3点」という事は、3枚ないし4枚獲得すれば勝ちという事になりますね。
 

<7点分の計画書の例>


ところでランナーとコーポ、どちらも計画書を7点分集める事が目的ですが、獲得に至るプロセスが少し異なります。
まずはそれぞれの得点方法=勝ち方を覚えてください。

 

・コーポの得点方法
実は勝利点である「計画書」カードはコーポのデッキの中に含まれています。コーポの事業計画なので当たり前といえば当たり前なのですが、ランナーのデッキには存在しません。場にはじめから出ているわけでもありません。
コーポは計画書カードを遠隔サーバーに「インストール」し、一定数「アドバンス」することで得点出来ます。

具体的には、盤面にカードを裏向きに置いて(インストール)、手持ちのお金トークンを白い面を上にして乗せます(アドバンス)。
「アドバンス」で乗せたトークンの数が、計画書カードの右上の数字に達したら表にして得点出来ます。

 

<コーポの得点方法>

 

「計画書」とは文字通り、コーポの事業計画の設計図のようなものです。設計図はそのままでは売り物にはならないので、コストを投じて実行に移し製品化します。

計画書がインストールされる場所が前述の「遠隔サーバー」であり、コストを投じて製品化することが「アドバンス」なのです。

尚、遠隔サーバーは並行していくつでも作ることが出来ます。どちらかというと計画書などのカードを置いた場所が「遠隔サーバー」になる。と言うのが正しいでしょうか。アイスしか置かれていない空のサーバーも遠隔サーバーと見なされます。

繰り返します。遠隔サーバーに「計画書」を裏向きにインストールし、何回か「アドバンス」して得点してください。
本来コーポがやるべき行動はこれだけです。それ以外のアクションは全て得点行動の補助に過ぎません。覚えておいてください。


・ランナーの得点方法
ランナーはコーポのような回りくどい事をする必要はありません。
非合法なルートを使って、計画書をそのままお金に換える方法を知っているからです。もしくは計画書を盗んでコーポに損害を出す事や、コーポのセキュリティを突破すること自体を目的としているのかもしれません。
いずれにせよ、各サーバーに存在する計画書を「盗む」だけで点になります。上に何か乗せるという事はしません。
計画書を盗むために行うのが「ラン」と呼ばれるハッキング行為です

「ラン」を行う際は、盗みに入るサーバーを手で指し示してください。「盗む」とはサーバーのカードを1枚表にして、計画書だったら獲得する事を指します。そして盗んだ計画書に書かれている点数がそのまま得点となります。

ランの手順については後述します。

 

<ランナーの得点方法>


もちろん、コーポがランナーの盗みをやすやすと見過ごすとは思えません。そのために「アイス」と呼ばれるネットワーク上の防護壁を敷いて対抗してきます。コーポのサーバーの上の横向きカードがそれです。アイスによってランナーのランは中断される事があります。

このように「ラン」を行って計画書を盗むことがランナーの本分です。それ以外のアクションは全て得点行動の補助に過ぎません。覚えておいてください。

 

※ランについてはあとで詳しく書いています。

 

■ゲームの進め方

 

得点する方法が何となくわかったところで、ゲームの流れを見ていきましょう。

このゲームは「ターン制」および「アクションポイント制」を採用しています。片方のプレイヤーが規定のアクション数(ランナー4回、コーポ3回)を実行したらターンがもう一方に移り…を繰り返し、先に勝利条件を満たした方が勝ちです。

勝利条件は前述のとおり「計画ポイントを7点獲得する」ことです。

アクション数(このゲームではクリックと呼びます)は「クリックカウンター」と呼ばれる6角形のトークンで示され、裏返す事で使用したクリックをカウントします。(クリックを消費しない行動も存在します。)

コーポ、ランナーはそれぞれ独自のデッキを持ちます。そしてデッキからアクションなどによってカードを引いてゲームを進めます。コーポのデッキには「計画書」と呼ばれる勝利点カードが含まれ、これを両者が取り合うことになります。

デッキにはその「計画書」のほかに、取り合いの手助けとなるカードがたくさん含まれています。

コーポはカードを盤面に裏向きに配置し、秘密裏に計画を進めます。自身の裏向きカードの内容はいつでも確認することが出来ます。ランナーは手札と山札以外に秘匿する情報は無いので、場には常に表向きにカードを出します。 

1つのターンは各フェイズに分かれています。フェイズごとにやるべきことを見てみましょう。

 

※注:「ビギナーズ・ガイド」と表記内容に多少の差異があります。初回ゲームのための簡易的な表記とお考えください。

 

1.ドローフェイズ(ターン開始時処理)

クリックカウンターを全て表向きにします。

続いて、もしも盤面のカードに「ターン開始時、〜」と書かれているものがある場合、その処理をここで行います。(「PADキャンペーン」など)

その後で、コーポのターンの場合は1枚カードを引きます。このドローは強制です

「強制ドロー」と言いながらカードを引くと、引き忘れが減ると思います。(「俺のターン、ドロー!」でも構いません)

滅多にない状況ですが、山札が0枚でカードを引けなければ即座にコーポは敗北となります。

ランナーのターンの場合はここでの自動ドローはありません。次のアクションフェイズ中にクリックを支払ってドローしてください。

 

<クリックカウンターを全て表にする。コーポのターンのみ強制1ドロー>

 

2.アクションフェイズ

このゲームのメインのフェイズです。

ランナーは4回、コーポは3回のアクションを実行します。同じアクションを複数回実行しても構いません。順番も任意です。アクション実行時にクリックカウンターを1つ裏返して下さい。

アクションの内容については後述します。アクションのパスは出来ません。必ず使い切ってください。

また、資財の「レゾ」などクリックを必要としないアクションを実行する場合、このフェイズ中に好きな順で(可能ならば)何度でも実行できます。

 

<クリックカウンターを裏返して、アクションを実行>

 

3.ディスカードフェイズ(ターン終了時処理)

アクションを全て実行し終わったら、「ターン終了」を宣言します。

手札の枚数が上限である5枚を超過している場合は、ここで5枚になるまで捨て札します。

ランナーの場合は表向きに捨てます。コーポの場合は、捨てるカードを裏向きかつ横向きの状態で捨てましょう。ランナーに公開していないカードはたとえ捨て札であっても裏向きなのです。前述のとおり、捨て札である「アーカイブ」にもランが可能だからです。

尚、この上限超過時の捨て札処理は自身のディスカードフェイズでしか発生しません。それ以外(アクションフェイズ中など)では手札は何枚持っていようと構いません。

 

<手札が5枚を超える場合は捨てる。コーポのみ裏向き>

 

 

■コーポのアクションについて

 

では、アクションフェイズ内にコーポが実行できるアクションについて1つずつ説明します。カッコ内は裏返すクリックカウンターの数です。

 

1.インストールする(1クリック)

インストールとは手札からカードを1枚を選び、盤面に置くことを指します。アイス以外のカードは各遠隔サーバー内に縦向きに、アイスはサーバーの上に守るように横向きに置きます。いずれも裏向きです。下の説明と図も参考にしてください。

 

・サーバー内(アイス以外のカード)の場合

コストは発生しません。(あとでレゾするときにコストがかかります。)

各遠隔サーバー内には1枚しかカードをインストールできません。2枚目をインストールすると1枚目が強制トラッシュされます。

ただし、「強化」という種類のカードに限り、他のカードと横に並べて1つの遠隔サーバー内に何枚でもインストールできます。(※「強化」は今回のゲームでは登場しません。)

 

<アイス以外の場合:置くだけなら無料>

 

・サーバーを守る位置(アイス)の場合

アイスの場合、1枚目はノーコストですが、2枚目は1クレジット、3枚目は2クレジット…という様に、「アイスを置くサーバーに既に配置されている枚数」分のコストを支払う必要があります。下図のような状況だと2クレジットかかります。

尚、複数アイスを置くときは下から上に向かって順に置いていきます。途中に差し込んだり、一番下に入れたりという事は出来ません。あまり行いませんが、今ある一番上のアイスを上書きして置くことは出来ます。その場合は元の場所にあったアイスはトラッシュされます。トラッシュされたアイスは裏表を変えずにアーカイブに置きます。

 

<アイスの場合:そのサーバーに他にアイスがあるならその[枚数分]のコストを払う>

 

2.アドバンスする(1クリック)

計画を推進する事を示します。裏向きの計画書の上に自分の1クレジットトークン1枚を裏返して乗せます。以降これはアドバンストークンと呼びます。

 

<アドバンス>

 

1クリック消費で1回アドバンス出来ます。「1」クレジットトークンを裏返して乗せるので、1クレジットを消費する事になります。

尚、カードに但し書きが無い限りは計画書以外のカードをアドバンスすることはできません

計画書の上のアドバンストークンーがカード右上に書かれている数に達したら、すぐに表に返して得点できます。表にするのに別途クリック消費などは不要です。カードをランナーに見せ、上に乗っているアドバンストークンを共通のバンクに戻し、計画書を自分の近くに表にして置いておきます。

この時に獲得した計画書に「〜得点した時」という効果が書かれている場合、ただちに効果を発動します。

 

 

3.カードをレゾする(クリックを消費しません!)

レゾとはコーポがカードを裏から表にする行動全般を指します。コーポのデッキには「計画書」以外に幾つかの種類のカードが含まれ、コーポはそれらのカードを裏向きにインストールしますが、置いただけでは意味がありません。「レゾ(表にする)」事でようやく効果を発動します。


「資材」「強化」と書かれたカードは自主的にレゾ出来ます。カードを表にして左上に書かれている数字分のクレジットをバンクに支払ってください。支払うのはお金だけでクリックは消費しません。

このアクションはクリックを使わないため、メインフェイズ中だけでなく、ドローフェイズ(ターン開始時処理直前)や、ランナーのターン中にも実行可能です。

 

<資財はコストを払いレゾして使用>


一方「アイス」はランナーがランを行ってそのアイスにエンカウントした(=ぶつかった)時のみレゾできます(コーポのターン中にレゾ出来ません)。

「計画書」は2で説明した通り、アドバンストークンが計画書カードの要求数に達した時だけレゾして得点出来ます。それ以外に計画書を自主的に表にする方法はありません。

 

ここで少し実際の流れを見てみましょう。

とあるターンで、コーポは遠隔サーバーに計画書カード「私設保安部隊」を裏向きにインストールしました(1クリック)。

さらにこのままではランナーに簡単に盗まれてしまうので、計画書を守るようにアイス「アイスウォール」をインストールしました。(1クリック)

最後に「私設保安部隊」を1回アドバンスします(1クリック)。

3クリック消費したので「ターンエンド」を宣言して、ターンを終了します。

 

・・・

 

ランナーターンを経て、再度自分のターンになりました。

「私設保安部隊」を3回アドバンスして(1×3クリック)、カードに合計4つのアドバンストークンを乗せました。「私設保安部隊」のアドバンス要求は4なので、これで得点可能です。カードを表にして自分の得点エリアに置きます。乗っているトークンはバンクに戻しましょう。

 

 

4.任務を使用する(1クリック)

「任務」はコーポの使い切りのカードです。インストールは出来ません。左上に書かれたコストを支払い、すぐに効果を発動します。効果を解決したら、カードはトラッシュされ表向きにアーカイブに置かれます。

 

5.カードを引く(1クリック)

R&Dからカードを1枚引きます。コーポはターン開始時に強制ドローがありますが、供給が追い付かないときや欲しいカードが引けないときはこのアクションでドローしましょう。もちろんクリック数が許す限りは何枚でもドローすることができます。

 

6.1クレジットを得る(1クリック)

バンクから1クレジットを取って自分の持ち金に加えます。もちろんクリック数が許す限りは何回でも貰えます。

ただし比較的効率の悪いアクションのため、お金が無くてどうしようも無い場合や、クリックが余ってしまった場合などに限って実行するのが良いでしょう。

 

7.場のカード能力を使用する(カードにより消費クリックが異なる)

カードテキストに「〇:××××××××」のようにコロン「:」を挟んで左側にコスト、右側に効果が書かれている場合があります。

これらのカードがレゾされているときは、その効果をアクションとして使うことが出来ます。必要なコストや消費するクリックはカードを参照してください。

例えば「メランジュ採掘社」というカードを見てみましょう。

このカードはコロンの左側にクリックマーク3つが書かれています。これは「3クリックを消費する」事で、「7クレジットを得る」事を示しています。

時計のような円形のマークはクリック、結晶のような細い菱形のマークはクレジットを示します。

 

 

このほかに「ウィルスカウンターを破棄(3クリック)」というアクションが存在しますが、今回のゲームでは使いません。

 

基本的には「1.インストール」でアイスや計画書を場に出し、「2.アドバンスする」で得点します。その補助として「資材」のカードを「3.レゾする」または「4.任務を使用する」ことで、必要な資金を集めます。ただしコーポはお金さえあれば強くなるわけではありません。あまりにお金集めに注力しすぎると手が遅れるので注意しましょう。

計画書やアイスを引かないと得点できないため、「5.カードを1枚引く」で手札を増やしましょう。「6.1クレジットを得る」はあまり積極的に実行すべきアクションではありません。お金が無くてどうしようもない事態はできるだけ事前に回避しましょう。

 

■ランナーのアクションについて

 

次にランナーが選択できるアクションについて1つずつ説明します。

 

1.ランをする(1クリック)

ランナーが計画書を盗むための行動です。

サーバーを指定し、そのサーバーを守るアイスがあれば対処を行います。アイスを突破してサーバー内にたどり着いたら、アクセス(カードを見る)を行い、運が良ければ計画書を盗みます。詳しい手順は後述します。

このゲームではランを制する者がランナーを制すると言っても過言ではありません。

 

2.インストールする(1クリック)

「イベント」以外のすべてのカードは場に出すことで効果を発揮します。インストールする際はカードの左上に書かれているコスト分のクレジットをバンクに支払って、表向きに場に出します。ランナーのカードはコーポと異なり全て表向きに置きます

インストールするのは主に「アイスブレイカー」と呼ばれる「アイス」を突破するためのツールであったり、お金を得るカードであったりします。

「プログラム」のインストールには「MU」という値による制限があります。詳しくは後述のカード説明の「プログラム」の項を参照してください。

その他の一部のカードにもインストールの制限などありますが、今回のゲームでは気にしなくても大丈夫です。気になる方は「ビギナーズガイド」などを参照してみて下さい。

 

3.イベントを使用する(1クリック)

「イベント」はランナーの使い切りのカードです。左上に書かれたコストを支払い、すぐに効果を発動します。効果を解決したらトラッシュします。

 

4.カードを引く(1クリック)

山札からカードを1枚引きます。ランナーはターン開始時のドローが無いので、このアクションで手札を増やす必要があります。積極的にドローしましょう。尚、山札にカードが無くなったらそれ以降はカードを引けません。捨て札が勝手に山に戻ったりなどはしないので注意しましょう。

 

5.1クレジットを得る(1クリック)

バンクから1クレジットを取って自分の持ち金に加えます。

コーポ同様効率の悪いアクションのため、お金が無くてどうしようも無い場合や、クリックが余ってしまった場合などに限って実行するのが良いでしょう。

 

6.場のカード能力を使用する(カードにより消費クリックが異なる)

コーポ同様に、カードに「〇:××××××××」のようにコロン「:」を挟んで左側にコスト、右側に効果が書かれている場合はその能力をアクションとして使用できます

例えば、「アーミテージ式コード破壊」というカードを見てみましょう。

このカードは「1クリックを消費」してこのカードの上から「2クレジットを得る」事を示しています。

能力は指定が無ければ何度でも使えるため、4クリック使えば8クレジットが手に入る事になります。「5.1クレジットを得る」を4回実行した場合に比べて2倍近い儲けになります。

 

 

このほかに「タグを取り除く(1クリック+2クレジット)」というアクションが存在しますが、今回のゲームでは使いません。

 

ランナーは何より「1.ランをする」ことが大事です。しかしただランを繰り返すだけでは、ほどなくアイスに阻まれて通行不可となります。その事態に備えてやるべきは「お金をためる」ことと「アイスの突破に必要なカードをそろえる」ことです。

ただし「お金をためる」を単純に1アクションで1金ずつ取り続けるととても効率が悪いので、お金の出るカードを利用して効率よく稼ぐことが求められます。そのためにはやはりカードを引くことが必要です。

つまりはランと並行して「4.カードを引く」を行って、「お金の出るカード」を引きに行きます。お金がたまってきたなら今度は「アイスブレイカー」を引きましょう。その間も出来ればランの手は緩めない方が良いでしょう。

お金が潤沢で、アイスブレイカーも揃っていればランナーは負けません。しかし、その間にコーポも得点するので時間との勝負になります。ランを行ってコーポにプレッシャーをかけたりお金を使わせながら、並行してカードを引いて、必要なものだけを盤面に並べましょう。


 

■ランの手順について

 

ここでこのゲームの肝になる「ラン」の処理について、順を追って説明します。前述のとおり「ラン」はランナーが得点するための重要な攻撃であり、コーポにとっては最も留意すべき防御ポイントです。このゲームの面白さの半分以上は「ラン」に集約されていると言っても過言ではないと思います。

これが分かればネットランナーのルールは覚えたも同然です。もう少しだけがんばりましょう。

ランの手順は一見ややこしいですが、1回やれば分かると思います。


(1).ランナーがランを宣言する

ランナーはクリックカウンターを1つ裏返し「〇〇にランをします。」と宣言します。「〇〇」は「R&D」「HQ」「アーカイブ」「遠隔サーバー」のいずれかです。

そして、以下の図のように片手をまっすぐ伸ばしてランするサーバーを示しましょう。

 

 

ランを行ったサーバーにアイスが無ければ(6)へ飛びます。アイスがあるなら(2)へ進みます。

 

(2).コーポが裏向きアイスをレゾするか否か選択する

ラン対象のサーバーの一番外側に裏向きのアイスが存在する場合、コーポはそれをレゾするか選択します。もしお金が足りなくてレゾできない場合でも、それをわざわざ言う必要はありません。単に「レゾしません。」と言いましょう。

レゾする場合は、カードを表向きにして左上に書かれているコスト(お金)をバンクに払います。そして(3)へ進んでください。

レゾしなかった場合、アイスは裏向きのままスルーされます。(5)へ進んでください。

以前のターンなどで既にレゾされているなら、自動的に(3)へ進みます。

 

(3).ランナーがサブルーチンをブレイクする

次はランナーの行動です(クリックは消費しません)。アイスを突破するために「アイスブレイカー」を使用します

自分の盤面にある「アイスブレイカー」のカードに注目してください。ブレイクできるサブタイプ(アイスの種類:バリアorコードゲートorセントリー)がアイスと一致しているものがあるか見比べましょう(下図参照)。該当するアイスブレイカーが場に無い場合は(4)に進みます。

 

一致していたら、そのアイスブレイカーを使ってサブルーチンをブレイク(=効果を防ぐ)出来ます。

サブルーチンというのはアイスに書かれている矢印マーク1項目分の効果のことです。

アイスブレイカーの強度(左下の数値)と、アイスの強度(左下の数値)を見比べましょう。アイスブレイカーの数値の方が低い場合は、ランナーはお金を払って強度を同数以上になるまで上げる必要があります。何金払うと幾ら上がるかはアイスブレイカーに書かれています。尚、強度上げは何度でも行えます

 

アイスブレイカーの強度がアイスの強度以上になったら、更にお金を払って「〇〇のサブルーチンをブレイクする」を実行しましょう。ブレイクとはサブルーチンの効果を一時的に防ぐことです。アイスを捨て札にしたり、今後ずっと無効化したりという事はありません。

幾ら払えば何個のサブルーチンをブレイクできるかはカードに書かれています。「2つまでブレイクする」などと書かれている場合は記述通りですが、数字が省略されている場合、1回の支払いにつき1つブレイク出来ます。またブレイクは何度でも行えます。

 

実際のプレイでは、まとめて「〇〇(アイスブレイカーの名前)を使って、サブルーチン2つを全てブレイクします。強度上げに〇金、ブレイクが2回で〇金を払います。」のように発言し、必要なお金を全てバンクに支払います。

 

ランナーがお金が払えない場合、または払いたくない場合、そもそもブレイク出来るアイスブレイカーが盤面に無い場合などは「ブレイクしない」事を選べます。またブレイクしたいサブルーチンだけを選んでブレイクする事も出来ます。

 

(4).ブレイクされていなければ、コーポがサブルーチンを解決する

コーポはブレイクされなかったサブルーチンを上から順番に強制的に実行します。もし途中に「ランの終了」があった場合、そこで効果はストップしてランが終了します。以降のサブルーチン、次以降のアイスなどは全て無視します。

 

 

(5).ランが終了していなければ、ランナーはそのアイスを通過

サブルーチンを全て解決するか、ブレイクされた、またはそもそもアイスがレゾされていない場合、アイスを通過します。

通過はアイスをブレイクしたかどうかは問いません。たとえ全てのサブルーチンが発動したとしても「ランの終了」が無ければその先へ進みます。

複数のアイスに守られている場合、続けて1つ内側のアイスにエンカウントします。(2)からの手順で同じ様に処理してください。このとき、アイスブレイカーの強度は元に戻ります。

ただし、ランナーはここでランをやめても構いません(2つ目以降のアイスの手前で選択します。コーポは次のアイスをレゾする前にランナーに「次のアイスに進みますか?」と聞いてください)。

アイスがもうない場合、(6)へ進みます。

 

(6).カードにアクセスする

アイスがを全て通過したか、そもそもアイスがなければ「ラン成功」します。そして、サーバー内にカードがある場合にアクセス(=カードを見る)を行います

このとき、ランを行ったサーバーがどこかによって処理が異なります。
 

[R&Dの場合]

コーポが1番上のカードをめくってランナーにのみ見せます(インディアンポーカーの要領)

ランナーはカードを見たら「盗む」「トラッシュする」「何もしない」のいずれかを発言します。

「盗む」は見たカードが計画書だった場合です。カードを受け取り、ランナーの得点エリア(てきとうな場所)に置きます。

「トラッシュする」はカードの右下に「移動するゴミ箱マーク」が書かれている場合です。ランナーがマークの中の数字の分のお金を払い、コーポはアーカイブに表向きに捨てます。尚、「盗む」は強制ですが、「トラッシュする」は任意です。

「何もしない」は上記の「トラッシュする」をあえてやらなかった場合、または計画書でもなく、ゴミ箱マークもなかった場合です。そのときも「何もできない」ではなく、必ず「何もしない」と言ってください。

何もしなかったカードは、デッキの1番上に戻します。(アクセス枚数が2枚以上の場合は戻さずに、2枚目を見せて同様に処理し、最後にまとめて同じ順番で戻します。)

 

 

[HQの場合]

コーポは手札を広げて提示し、そこからランナーが1枚抜き取ります(ババ抜きの要領)。

ランナーはカードを見て、「盗む」「トラッシュする」「何もしない」のいずれかを発言します。以降の処理はR&Dと同様です。

何もしなかった場合はコーポにカードを返します(手札に戻る)。

アクセス枚数が2枚以上の場合、コーポにカードを返さずに1枚目をランナーが持った状態で2枚目を抜きます。

 

 

[アーカイブの場合]

コーポは裏向きのアーカイブのカードを全て表にします。その後ランナーが1枚ずつ指定して全てに強制的にアクセスします

アーカイブのカードは既にトラッシュ済みのため、基本的には盗むか何もしないかだけです。

尚、表にしたアーカイブのカードは裏に戻りません。

 

[遠隔サーバーの場合]

コーポはカードを表にして見せます。以降の「盗む」「トラッシュする」「何もしない」処理はR&Dと同様です。

今回のゲームでは発生しませんが、もしサーバー内に複数枚のカードが置かれている場合、ランナーがどれにアクセスするか決めてコーポが1枚表にして処理、次にアクセスするカードを決めて…、と1枚ずつ選択と処理を行います。すべてのカードへのアクセスは強制です。

何もしなかったカードの表裏は元の向きのままで元の場所に戻ります。(裏だった場合は裏向きのまま戻ります。)
 

(7).ランを終了する

アイスのサブルーチンによって、または特定のタイミングで自主的にランを中止した場合、もしくはカードへのアクセスが終わるとランは終了となります。

 

-----------------

尚、ランはアイスブレイカーの有無、コーポ側のアイスの有無に関わらず実行可能です。丸腰でも問題なくラン出来ますし、アイスが無いなら最大のチャンスです。

またアイスに引っかかったからと言って必ずそこでランが終了するわけではありませんお金を要求されるだけのアイスもあります。前半は何気ないランで簡単に計画書カードが盗めてしまう事さえあるのです。

またランが成功しなかった場合でも、コーポがアイスをレゾしたのであれば、コーポがお金を消費したり情報を開示させたことになるので、結果的にランナーの有利に働くケースもあります。アイスを怖がらずに積極的に仕掛けましょう。

-----------------

 

 

■各カードの説明

 

ネットランナーはカードゲームなので、ゲームのほとんどはカードを見ながら進めることになります。

ここではどんな種類のカードがあるのか、それらの用途や見方について簡単に確認しましょう。

カードは覚える必要はありませんが、どんな役割のものがあるか知っておくとより戦略的なプレイが可能になると思います。

 

・コーポのカード

コーポのカードは使い切りの「任務」と、裏向きに「インストール」して使用するそれ以外のカードがある事は前項でお話しました。

しかしここまでで「インストール」するカードは「計画書」しか説明していませんので、もう少し詳しく見てみましょう。

 

[アイス]

ランナーのランからサーバーの計画書などを守るための防御壁です。

このカードだけは他と異なり、サーバー上部に横向きに「守るように」置きます。またランナーがランを行いアイスにぶつかった時しかレゾ出来ない事は前述のとおりです。

あるサーバーに2枚目以降のアイスを置く際は、上に向かって伸ばして行く形になります。現在のアイスより内側に差し込むことはできません。また同じサーバーの2枚目以降のアイスはインストールするときにお金がかかる事も忘れないようしましょう。

アイスには主に「バリア」「コードゲート」「セントリー」の3種類があり、これによりランナーが突破する際に必要なアイスブレイカーの種類が変わります。

ではここで、今回のゲームのデッキに含まれるアイスをいくつか見てみます。

 

<アイスウォール>

「バリア」のアイスで、ランナーは「バリア」に対応したアイスブレイカーでしかブレイク出来ません。

「ランの終了」を1つだけ持つ、もっともシンプルな足止め用アイスです。

このアイスのテキストには「アドバンス出来る」とあり、1クリックと1クレジットを消費する事で、計画書の様にアドバンストークンを乗せられ、これによりアイスの強度が上がります。が、これが得策かというと微妙でしょうか。ここで1クリック使うよりは、少しでも得点を目指した方が建設的かもしれません。

最大の長所はコスト1という安価で「ランの終了」を持つことでしょう。

 

<エニグマ>

「コードゲート」のアイスで、ランナーは「コードゲート」に対応したアイスブレイカーでしかブレイク出来ません。

「可能なら、ランナーは[クリック]を失う」「ランの終了」の2つのサブルーチンを持ちます。

サブルーチンは上から順に効果を適用するので、ランナーがこのアイスをブレイク出来なかった場合、まずクリックを1つ失い(クリックカウンターを裏返す)、その後ランを終了します。クリックカウンターが既にすべて裏向きの場合、1つ目のサブルーチンでは何も起きません。

費用対効果が比較的高く、使いやすいアイスと言えるかと思います。

 

<トールブース>

エニグマと同じ「コードゲート」のアイスですが、こちらは強度が高い分コストも高価です。

また、このアイスにランナーがぶつかった際に強制的に3クレジット(バンクに)払わせる強力な効果が付いています。この効果はランナーがアイスブレイカーを使用する前に適用され、突破しようがしまいが毎回必ず3金を減らすことになります。

今回使用するデッキの最強クラスのアイスと言えるでしょう。

 

<ロトターレット>

「セントリー」のアイスで、ランナーは「セントリー」に対応したアイスブレイカーでしかブレイク出来ません。

1つ目のサブルーチンに「プログラムを1つトラッシュする」という効果がありますが、このようにアイスのテキストに主語が省略されている場合はコーポが主語となります。なのでランナーの盤面の「プログラム」と書かれたカード1つをコーポが選んでトラッシュします。

ランナーのカードをトラッシュする能力はネットランナーでは大変強力です。うまく使えばランナーを「詰み」に近い状態に追い込めるでしょう。強度こそ0ですが、面白い効果のアイスです。

 

[計画書]

コーポで最も重要なカードである事は言うまでもありません。

カード右上の数字が「要求アドバンス数」、中央左の数字が「計画ポイント(=得点)」です。

計画書の多くは、それ自体が得点である事以外になんらかの効果を持っています。

今回のゲームでは以下の2枚が効果を使える計画書に該当します。

※ほかの計画書も効果を持っていますが、今回のゲームでは全く意味がないので「効果なし」だと思って問題ありません。

 

<優先請求>

コーポが得点した時に、いずれかの裏向きアイスを自主的にタダでレゾ出来ますこの効果は得点時に即座に発動します

前述のとおり、アイスはランナーがランしてそのアイスにぶつかった時しかレゾ出来ませんが、このカードでは例外的にコーポのターンにレゾが出来ます。もちろん、既に置いてあるアイスにしか使えません。高価なアイスのコストを狙ってタダに出来るかどうかには、運が大きく絡みます。

 

<アトラス計画>

アドバンストークン3つで得点できるカードであり、それがこの計画書の強みです。理由は話すと長くなるので、興味のある方は『2度目のネットランナー(1)「コーポは何をすればいいのか?」』をご参照ください。

4つ以上アドバンスして得点した場合は、3つを超過する分だけのアドバンストークン(ここでは「計画カウンター」と名前が変わりますが…忘れても大丈夫です。)を得点エリアへ移動後に乗せておきます。(例:4つ乗せて得点したら、1つだけ計画カウンターとして残す。)

計画カウンターを1つ消費してバンクに戻すことで、山札から好きなカードを探して手札に加える、いわゆる「サーチ」能力を発動します。なかなか強力です。しかもこの能力はクリックを消費しません。アトラス計画でアトラス計画を手札に加え…というのも面白いかもしれません。

 

[資財]

資財のカードは計画書の様にインストールして使用しますが、得点ではなくクレジットなどの資源をコーポにもたらします。

使うときはまずインストールして、カード右上のコストをバンクに支払って、レゾします。計画書の様に上にお金を乗せるわけではないので注意しましょう。

置ける場所は計画書と同様に、遠隔サーバーの中です。やはり裏向きで置くので、出しただけでは計画書と見分けがつきません。

(アドバンストークンを乗せることは出来ないので、トークンを乗せた瞬間に計画書バレします。)

全ての資財にはカード右下に「トラッシュコスト」が書かれています(移動するごみ箱マーク)。これは、ランナーがいずれかのサーバーにランをして資財にアクセスした際に、カードを捨てるのに必要なクレジット数です。

今回のデッキでは、資財以外にトラッシュコストの書かれたカードはありません。つまり資財以外はランナーが捨てることは出来ません。

 

資財は遠隔サーバー置いてレゾして使用するわけですが、トラッシュコストがあるので、無防備だとランしてきたランナーに捨てられてしまう事があります。ものによってはアイスなどで守ってあげましょう。

尚、1つの遠隔サーバー内には1枚しかカードを置けません(別の遠隔サーバーであれば何枚でも出すことが出来ます)。

厳密には2枚目を置こうとするときに、1枚目は強制トラッシュされます。逆に言えば、元々置いてあった資財を別の資財で上書きしたり、資財を計画書に置き換えるといった動きが可能です。

特に資財を計画書に置き換える動きは今回のデッキではそこそこ有用なテクニックなので、頭の隅にでも覚えておいてください。

 

<PADキャンペーン>

ターン開始時に1クレジットを得ます。理由は割愛しますが、インストールしたらすぐにレゾせずに、次の自分のドローフェイズ(カードを引く前)にレゾして下さい。そうすると続けて「ターン開始時」の1クレジットを貰えます。この方がお得です。

実は今回使用するデッキの資財は、この「PADキャンペーン」と「メランジェ採掘社」しかありません。

貴重な資財なのでしっかり守ってあげたいところですが、資財を守るためにそれらが供給する金額を上回るコストをかけて(=赤字)はいけません。あくまで計画書の費用調達の一環です。あなたの目的は計画書である事を忘れないようにしましょう。

つまり、既にレゾされているPADキャンペーンを複数のアイスで守るのは得策ではありません。PADキャンペーンを後で計画書に置き換える予定なら良いですが、遠隔サーバーを3つも4つも作って資財を置き、そこをたくさんのアイスで守るのは単純にお金と手数の無駄になります。

 

[任務]

任務は使い切りのカードです。1回きりですが、インストールせずに直接使える安定感が売りです。

基本セットの任務には「移動するごみ箱マーク」が書かれていないので、R&DやHQにランしてきたランナーにトラッシュされる心配もありません。

 

<ヘッジファンド>

コーポの代表的な資金源です。5クレジットの支払いで9クレジット得るので、差し引き4クレジットの収入です。この4クレジットはかなり大きいです。基本的には手札に来たらすぐに使ってしまって良いと思います。

逆に言うとこのカードが来たらすぐに使えるように、5クレジット以上は常に持っておくのが得策です。

 

<セレブの贈り物>

お金を得るカードですが、手札をランナーに見せる必要があります。

このカードを除き見せた枚数×2クレジットが貰え、使用に3クレジット、5枚見せたとして10クレジット。使用コストを引いて最大7クレジットとなります。大金が手に入りますが、計画書を握っている時はバレてしまいます。計画書だけ見せないなどの工夫が必要かもしれません。あえて計画書を見せてランを誘うのも面白いでしょう。

このカードは使用時に1クリックではなく2クリックを消費するので注意してください。

 

<人造労働者>

このターンのクリックを1つ増やすカードです。使用に1クリック消費で2クリック増えるので差し引き1クリック増です。2クリック増ではないので注意してください。

増えたクリックは通常はアドバンスに使用します。他のアクションに使用した場合は大抵は割に合いません。このカードを使うことで、前述の「アトラス計画」を1ターンでインストールして得点まで実行できます。詳しく知りたい方は『2度目のネットランナー(1)「コーポは何をすればいいのか?」』をご参照ください。

 

 

・ランナーのカード

ランナーのカードは全て表向きに出します。使用時に左上に書かれているコストを払い場に出します。タイプ「イベント」のカードのみ効果を発動したらすぐにトラッシュされ、その他のタイプのカードは場に残ります。

 

[イベント]

ランナーの使い切りのカードです。お金やカードの補充、ランを有利にするなど様々な効果を持つものが存在します。

 

<確実なギャンブル>

ランナー版の「ヘッジファンド」で、差し引き4クレジットを得ます。初手で1番欲しいカードの1つです。

ランナーはお金とランのタイミングがすべてなので、とても重要です。最低5クレジット無いと使用できないので、コーポ同様常に5クレジット以上は抱えておくことを意識しましょう。

 

<修繕>

アイス1つに「バリア」「コードゲート」「セントリー」の3種類のサブタイプを付加してしまうカードです。アイスブレイカーはアイスの種類に対応したもので無いとブレイク出来ない事は説明しましたが、このカードを使えばアイス1つを「どのアイスブレイカーでもブレイク出来る」状態にしてしまいます。コーポが突破出来ないだろうと思って置いたアイスを易々と乗り越える事ができる、つまりは裏をかけるカードなのです。

ただしこのカードにはラン効果は無く、別アクションでランする必要がある事に注意してください。

 

[リソース]

「イベント」以外のカード、「リソース」「ハードウェア」「プログラム」はいずれも場にインストールして使います。

インストール時にカード右上のコストを払い、場合によっては使用する際に別途クリックやお金などを消費する事もあります。

カードに特別指定が無い限り、カードのタイプを意識する必要はありませんが、「リソース」は概ねランナーの資金源となるカードだと意識しておくと良いかと思います。

また特にカードに条件が書かれていない限り、場に出したカードの効果は(クリック数や使用コストが許す限り)何度でも使うことが出来ます。

 

<アーミテージ式コード破壊>

「解放済み口座」と並び、ランナーにお金を継続的に供給する重要なリソースです。基本のアクションで貰えるのは1クリックで1クレジットですが、こちらは同じ1クリックで2倍の2クレジット貰えます。

コストを払って場に出したら、バンクからカードの上に12クレジット分のトークンを積みます。6回使用して上に乗せたお金を取り切ったら、即座にトラッシュします。

 

[ハードウェア]

ランナーの所有する物理的なデバイスです。ランの手助けなどをしてくれるでしょう。

早くから出した方が効果的ですが、コストがそこそこ高い事に注意してください。貧乏なときに出そうとすると、かえって出遅れてしまいます。

 

<ドッペルゲンガー>

インストールしておくと、ランナーがラン成功した時「ただちにクリックを消費せずに好きなサーバーにランする」権利を得られます。効果は1ターンに一度だけです。

また「最大MU」という「プログラム」カードを場に出す上限を+1してくれます。テキスト1行目のアイコンがその事を示しています。

尚、ドッペルゲンガーは「コンソール」という属性を持つ特殊なハードウェアで、場に1枚しか出せないので注意しましょう。

 

[プログラム]

「プログラム」は大きく「アイスブレイカー」とそうでないものに分類できます。「アイスブレイカー」は前述の通りランの最中に使用するものですが、それ以外のプログラムはリソースやハードウェアと使用方法としては差はありません。

ただしプログラムに限り「最大MU」と呼ばれるインストール数の上限が決まっています。ランナーの初期の最大MUは「4」です。このことはカードのどこにも書かれていません。

今回使用するデッキでは各アイスブレイカーは1つにつきMUを「1」使用しますが、「スニークドアβ」のみ「2」使用するので注意してください。もしもMUを超過する様にインストールするときは、最大値を超えないように、今インストールされているプログラムをトラッシュする必要があります。

 

<スニークドアβ>

「アイスブレイカーでない」プログラムです。

このカードの効果でアーカイブにランを行い成功した場合、HQにランをしたと見なします。

HQのカードにアクセスするだけでなく、「ガブリエル・サンチャゴ」や「HQインターフェース」も発動します。

アーカイブからHQにアクセス出来るとなれば、コーポもアーカイブをHQ並みに厚く守る事を余儀なくされるでしょう。

大変強力なカードですが、コストが高くMUも2使用するので注意してください。

 

■ゲームをはじめよう

 

ルール説明は以上ですが、概ねイメージ出来たでしょうか?

それではデッキを手に取って、2人とも山札をよーくシャッフルしてください。この時IDカードを混ぜてしまわない様に気を付けましょう。

シャッフルしたら両者5枚ずつのカードを手札として引き、内容を確認します。そしてコーポ、ランナーの順に1回だけ「マリガン」と呼ばれる引き直しの機会が与えられます。

具体的には手札が気に食わないときに、5枚全てを山札へ戻してよくシャッフルし、再度引き直すことが出来ます。2度目はありません。

初手には出来るだけお金がもらえるカードを確保しましょう。加えてコーポの場合はアイスも1〜2枚は欲しいところです。

しかしたとえ初期手札がひどかったとしても、このゲームは自由にカードが引けるので何とかなります!

最後に、このゲームはコーポが先手と決まっています。必ずコーポからターンを開始してください。

ではネットランナーを楽しみましょう!!

 

後編(実践編)に続きます。少々お待ちください!

 

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