2度目のネットランナー(3) 「デッキをどう組むか? [1] 日本語拡張と構築ルール」

  • 2018.10.27 Saturday
  • 20:00

 

■このエントリーは何?

 

このエントリーは、LCG「アンドロイド:ネットランナー」を基本セットのみで複数回遊んで「プレイに慣れてきたので構築もやってみたい」「基本セットでデッキ構築してみたが・・・」という初級者の方を対象に想定し、ごん太個人のデッキ構築に関する考え方を書いたものです。

はじめたばかりで、構築以前に「勝ち筋がわからん」「面白さが掴めぬ」という方は、よければ過去記事をご参照ください。

また、ゲームに興味はあるが未プレイなのでルールや概要を知りたいという方は、他の方の紹介記事をあたって頂ければと思います。

 

[過去記事]

 

「2度目のネットランナー(1) コーポは何すればいいのか?」

 

「2度目のネットランナー(2) ランナーは何すればいいのか?」

 

[関連記事]

 

「2度目のネットランナー(3) デッキをどう組むか? [2] コーポの構築」

 

「2度目のネットランナー(3) デッキをどう組むか? [3] ランナーのデッキ構築」

 

「2度目のネットランナー(4) 実は知らなかった!?間違えやすい超基本ルール」

 

「2度目のネットランナー(5) これからはじめる人のための、ネットランナー10の疑問」

 

「2度目のネットランナー(6) NISEIの新拡張で遊ぼう [1] 日本語版ダウンフォールが来た!」

 

■こんにちは

 

ごん太と申します。

元TRPG、現ボードゲーマーでTCGも少し遊んでいます。もちろんネットランナーは大好きです。

皆さんもネットランナーで遊んでいますでしょうか?

原語版は2018年10月22日で遂にリリースが終了してしまいましたが、ゲームの面白さは不変です。まだまだ遊ばれています。

そして日本語版はいまだ健在の様です。これからもゴリゴリとプレイして行きましょう。

さて、今回から3回予定で「デッキをどう組むか?」というテーマで書いて行きたいと思います。

 

以前、ネットランナーのプレイヤーは、概ね下記の4段階のレベルに分けられると定義してみました。

そしてほとんどの方が下記のLEVEL1ではないかと勝手に推測し、前2回のエントリーでは、LEVEL2に至る参考となればとプレイングのお話をして来ました。

ここからは、LEVEL2がなんとなく分かって来たと仮定し、LEVEL3(+LEVEL4を少しだけ絡めた)のデッキ構築についてのお話をしてみたいと思います。

 

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LEVEL1:ルールの理解

 

LEVEL2:プレイング(基本戦術)の理解

 

LEVEL3:デッキ構築の理解

 

LEVEL4:環境の理解

 

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ネットランナーの基本セットを購入して何回か遊んでいると、いずれ入門デッキに飽きて、当然のように自分でデッキを作ってみたいと思うのではないでしょうか。

ところが、実際に基本セットで構築してみると、「枚数が足りないので適当にカードを入れる」「弱点を他の派閥のカードで補う」といった感じで、あまり自分の意思でデッキを作っているという感覚は無いのではないかと思います。

基本セットは複数の派閥を収録しているものの「浅く広く」なので、個々の派閥で十分な「構築」を楽しむには圧倒的にカードの枚数が少ないのです。

なので、もしもネットランナーを「TCGみたいにデッキ構築してみたい!」と思った方は(ここまで10回くらいは遊んでいるのなら、その域に達していると思います)、是非拡張を購入する事をお勧めします

デッキ構築によって確実に新しい世界が開けると思います

 

しかし、拡張と言っても何を買えばよいのか、そもそも何が発売されているのかも分からないという方も多いかと思います。

そこで<デッキ構築>関連の第1回となる今回は、前提として「どんな拡張があるのか」、そしてデッキを組む際に考慮しなければならない「構築レギュレーション」というものに触れてみたいと思います。

※第2回、第3回ではそれぞれコーポ、ランナーのデッキ構築に具体的に触れる予定です。

 

ちなみに「日本語版の拡張は全て買ったし、RotationもMWLも知ってるので大丈夫だ。」という方は今回のエントリーは読む必要は無いと思います。

「Amazonで見てみたけど拡張何十種類あるんだ、わけわからん!」とか「ランナーのチャンピョンデッキ強すぎぬ?」という方は是非読んでみてください。

 

ひとつおことわりしておきますと、「2度目のネットランナー」シリーズはごん太個人の考えを大きく反映したものとなっています。

特にデッキ構築に関して「これが正解です」と主張するものではありません。色々な方の意見やNetrunner.dbなどのファンサイトを参考にした上で、自分なりの面白さを見つけていく事になると思います。本エントリーはその参考の一端となればと思い書いています。

 

また記事中に登場する「ルールブックに出ていない俗語(FA、フェイスチェック、コンスピラシー等)」や「日本語版のドキュメントやWebサイトに掲載されていないレギュレーション、ローカルルール」などはコミュニティによっては通じない場合がある事は、あらかじめご承知ください。

 

 

 

■日本語版の拡張は何があるのか?

 

さて、まずは現在リリースされている日本語版の各拡張セットを見てみましょう。

ネットランナーの拡張は、コーポ、ランナー各1派閥ずつをフィーチャーした「大拡張」と、「〇〇サイクル」と呼ばれる、6パックで1セットの全派閥を含む小拡張(商品名では「データパック」)の2種類があります。

いずれもカードのみとなっており、新たなトークンやボードなどのコンポーネントが追加されることはありません。(英語版の「Terminal Directive」を除く)

名前が分かりにくいのですが、大拡張は「〇〇サイクル」に比べてある特定の派閥のカードは多く、箱はデカい(と言っても、一般的なボドゲの中箱サイズからすれば小さい)ですが、どちらかというと「〇〇サイクル」の方が全体的に大きく拡張されます。

6パック全て買った場合、費用も「〇〇サイクル」の方がかかります。

「大拡張」は特定の派閥に絞ったピンポイント拡張、「〇〇サイクル」は全派閥に対するテーマ拡張と覚えておきましょう。

 

その他に「ワールドチャンピョンデッキ」という、世界大会の優勝者が使用したデッキがそのまま発売されており、こちらには日本語版の他の拡張には含まれないカードが何種類か収録されています。

 

尚、原語版で5種(+キャンペーン拡張1種)ある大拡張の内、日本語版では古い方から2種しかリリースされていません。

また小拡張は8サイクル(内2サイクルは使用不可)存在しますが、日本語版では新しい方から2サイクルしかリリースされていません。

そのため、日本語版では派閥毎にカード枚数にかなりバラツキがあり、カード同士のシナジーもやや中途半端であることはご承知おきください。

 

では、基本セットも含めた、それぞれの拡張の特徴を簡単に見てみたいと思います。

 

 

<基本セット/Core Set>

 

・基本セット 第2版

コーポ4派閥、ランナー3派閥のカードを収録した、ネットランナーの中心となるセットです。

個人的には、拡張を買うにしても最初の10回くらいは基本セット単体で遊んでみる事をお勧め致します。

基本セットだから「弱いカードが多いのか」というと全くそんな事は無く、構築戦を遊ぶようになってもずっとお世話になるカードが非常に多いセットではないかと思います。
しかし前述のとおり単体で「構築を楽しむ」という意味では少々カードが少なく、何らかのコンセプトを目指した場合は(特にコーポは)数合わせのために、デッキコンセプトにそぐわないカードまで投入する必要が出てくるかと思います。

全てのカードが3枚ずつ収録されているわけでは無いのがやや残念な点で、そのため基本セットを複数購入される方もいます。

が、個人的には先に拡張を揃えて、基本セットのカードの重要性が分かってから複数買いを検討しても良いのではないかと思います。

 

 

・基本セット第1版

旧基本セットです。

原語版の公式ルールでは、2017年11月以降は使用禁止とされています。(後述)

特にランナー側に非常に強力なカードが収録されており、第2版と比べるとバランスは悪いです。

このセットだけでアンドロイド:ネットランナーを楽しむことが出来ますが、拡張と合わせて遊ぶ場合は第2版を購入される事を推奨致します。

第2版に再録されているカードはそのまま使用可能なため、枚数確保の目的で購入するのはアリかなと思っています。

 

 

<大拡張/Delux Expansion>

 

・拡張「創造と支配」

「大拡張」と呼ばれるセットの第1弾です。

コーポの「ハースバイオロイド」、ランナーの「シェイパー」と、両陣営の中立カードが収録されています。

ランナー側は「自己変形コード」など大会等で使用頻度の高い、いわゆる「定番」カードが収録されている一方、コーポの方は良く言えば通好みの、悪く言えば使い難いカードが多めかな…と思われます。

ランナーの中立カードに「デイリーキャスト」「身内の恥」など、どんなデッキにも採用可能なカードが収録されているため、中立カード目的で買っても損は無いかと思います。

 

 

・拡張「名誉と利潤」

「大拡張」と呼ばれるセットの第2弾です。

コーポの「ジンテキ」、ランナーの「クリミナル」と、両陣営の中立カードが収録されています。

「未来完了」「無心の心」「コマイヌ」などのジンテキデッキの強力なカードが収録されており、ジンテキで組んでみたい方にはお勧めの拡張です。

一方でランナーの方は、使用頻度の高いカードは「地道な作業」(か、限定的に使用される「グラップリングフック」)くらいで、個性派デッキビルダー以外にとっては、大してクリミナルの強化にはならないと言ってしまって良いかと思います。

 

日本語版でリリースされている大拡張は以上の2種のみです。

以下は日本語版未リリースで、今後の発売予定も発表されていません。

・「Order & Chaos」:コーポの「ウェイランド」、ランナーの「アナーク」を収録。

・「Data & Destiny」:コーポの「NBN」、ランナーは既存の派閥とは異なる特殊なIDのランナー3種を収録。

・「Terminal Directive」:コーポの「ハースバイオロイド」「ウェイランド」、ランナーの「シェイパー」「クリミナル」を収録。更にキャンペーンシナリオとそれに必要なコンポーネント類や専用カードなども習得。

・「Reign & Reverie」:全派閥を収録。ネットランナーの最後の拡張。

 

 

<〇〇・サイクル(データパック)/Data Pack>

 

・レッドサンド・サイクル

「ダイダロス複合施設」「ステーション・ワン」「地球の末裔」「血と水」「フリー・マーズ」「クリムゾン・ダスト」の6種類の小パックからなる、「火星」をテーマにした拡張サイクルです。

各パックに全ての派閥のカードがバラバラに収録されています。(派閥ごとにまとまっていません)

クリミナル他多くのランナーに使用されている「アウマクア」や、日本語環境で定番のジンテキの計画書「オボカタ・プロトコル」などが収録されていますが、全体的にシブい効果のカードが多く、カードパワーや実用性で見ると「キタラサイクル」よりは優先度は低いかなと考えています。

各パックの内容を調べて、はじめは欲しいカードが収録されているパックだけピンポイントで買っても良いかもしれません。

 

・キタラ ・サイクル

「統治者の景色」「白ナイルを下って」「ナルバーレの囁き」「悪魔と竜」「頂の会議」「カンパラの支配」の6種類の小パックからなる、「アフロ・フューチャリズム」をテーマとした拡張サイクルです。

各パックに全ての陣営のカードがバラバラに収録されています。

おすすめです。

過去のカードが大量に使用不可となるタイミングでリリースされただけあって、現在のデッキ構築の中心とも言えるであろうカードが揃っています。

特にコーポはこのサイクルがあるかどうかで世界が変わってくるため、組みたい派閥を問わず是非揃えておきたいですね。ランナーも、例えばクリミナルは「名誉と利潤」などを買うより余程強化されます。

汎用性の高い「NGOの最前線」や「南サハラ憲章の承認」などを収録したパック「白ナイルを下って」辺りは品切れを起こしやすいのでご注意ください。

 

日本語版でリリースされている「〇〇サイクル」は以上の2種のみです。

以下は日本語版未リリースで、今後の発売予定も発表されていません。

・「Genesis Cycle」(※Rotaionにより現在は使用不可)

・「Spin Cycle」(※Rotaionにより現在は使用不可)

・「Lunar Cycle」

・「Sunsun Cycle」

・「Mumbad Cycle」

・「Flash Point Cycle」

 

 

<ワールドチャンピョンデッキ/World Champion Deck>

 

・2015ワールドチャンピョン ランナーデッキ 「バレンシア」

2015年の世界大会優勝者が使用した「アナーク」のデッキです。

アナークや中立の定番カードが幾つか収録されている一方、主力カードのほとんどがFFG公式ルール上は現在使用禁止になっているため、環境によっては使えないカードが多い事に注意して下さい。

ちなみにデッキ内容はと言うと、盤面にカードを並べて自分にタグを付けながら「データ漏洩逆流」を起動し続け、ひたすらコーポのR&Dを削るという、ソリティア色の強いコンボデッキになっています。

「バレンシア・エステヴェス」「注入」「ディヴィッド」などの主にアナークのカードのパーツ取りとしての購入は、一応アリかなと思います。

 

・2015ワールドチャンピョン コーポデッキ 「未来工学」

2015年の世界大会優勝者が使用した「ハースバイオロイド」のデッキです。

クラシカルなグラシアル(アイスをたくさん並べる)スタイルで、旧ルール下の最強カード「ジャクソンハワード」などが収録されています。が、やはり現在はFFG公式ルール上使用出来るカードが少なく、買っても日本語環境のハースバイオロイドが強化されるかというとそうでも無いかなと思います。(これは欲しいなと思うのは「世界食糧構想」と「アーキテクト」くらいですかね…。)

個人的にはこのデッキの購入優先度は低いと思います。

 

・2016ワールドチャンピョン ランナーデッキ 「フィザード」

2016年の世界大会優勝者が使用した「アナーク」のデッキです。個人的にはチャンピョンデッキの中では一番おすすめです。

日本語版ではこのデッキでしか入手できない、アナークや中立の汎用カードが複数収録されています。2015に比べて現在も使えるカードが多く、フラクターでは最強クラスのアイスブレーカー「ペーパークリップ」が入手出来るのも大きいです。

ただし2015に含まれる「バレンシア・エステヴェス」「ディヴィッド」「無線ネットパビリオン」「パパラッチ」はこちらには収録されていないのでご注意ください。

日本語環境でアナークを組もうと思うなら、まず買っておいて損は無いかと思います。(アナークはそもそも枚数が少ないです。)

 

・2016ワールドチャンピョン コーポデッキ 「メッセージの支配」

2016年の世界大会優勝者が使用した「NBN」のデッキです。

NBNのIDである「メッセージの支配」、同じくNBNの定番任務「強烈なニュース」や、それらとシナジーを為すカードが幾つか収録されています。

このデッキを買うことの目的のほとんどは上記の2種のカード、及び中立の「世界食料構想」の入手にあるかと思います。

2018年の世界大会優勝者もこれら3種を採用したデッキを使用していましたので、NBNでとにかく強いデッキを組みたいなどという方は、購入を検討してみても良いかもしれません。

 

日本語版でリリースされている「ワールドチャンピョンシップデッキ」は以上の4種です。

以下は日本語版未リリースで、今後の発売予定も発表されていません。

・「2017 World Champion Corp Deck」 … ハースバイオロイドの「セレブラル・イメージング」のデッキです。手札とクレジットを物凄い勢いで増やす爆アドデッキですが、現在は主力カードの幾つかが禁止/制限対象となっています。

・「2017 World Champion Runner Deck」… シェイパーの「Haley Kaplan」のデッキです。IDの特性を活かしてリソースを素早く大量展開する万能型のデッキです。

 


■使えないカードってあるの?

 

ここまでは現在日本語版でリリースされている拡張について、ざっくりと見てきました。個別のカードの評価などについては今後少しずつ見ていければ良いかなと思っています。

さて、説明の中で当たり前のように「使用禁止」という言葉を出しましたが、カードの使用可否を明示したルールが存在するのでしょうか?少なくともルールブックには書いていないのですが。

もしもあるとしたら、どこで確認すれば良いのでしょうか。また、初心者が仲間内だけで遊ぶ場合もそのルールに従った方が楽しいのでしょうか?

 

TCGを遊ばれている方は重々ご承知かと思いますが、カードゲームでは、プレイ環境の適正化を図る(ある程度まとなバランスにする)ために「禁止カード」等が後から追加される事が多々あります。

これらは環境が進むと共に次々と追加・変更・削除されるため、ルールブックなどの物理的な出版物に記載することが困難です。

拡張パックに修正ルールの周知文が封入されるケースなどもありますが、現在ではWeb上で情報が公開される事がほとんどだと思います。

実はアンドロイド:ネットランナーもLCGながら同じ宿命から逃れることは出来ず、定期的に公式レギュレーションが更新されてきました。

デッキを構築する前に、ここで原語版を含めたネットランナーの禁止/制限のレギュレーションを少し確認してみたいと思います。

 

 

・原語環境のレギュレーション

 

まず原語版環境ではRotationNAPD Most Wanted List(略してMWL)による、禁止および同時使用制限が存在します。


「Rotation」は基本セット第1版の全カード(第2版再録を除く)と、初期の拡張2サイクル(Genesis Cycle, Spin Cycle)を使用禁止としたルールです。

本来は新しいカードがリリースされるたびに古いカードをリリース順に環境から落としていく仕組みですが、ネットランナーのリリース終了によりこれ以上新カードがリリースされないため、実質上記の3セットのみを制限する形となっています。(詳細はリンク先のFFG社サイトを参照下さい)

マジック・ザ・ギャザリングや他のカードゲームなどで俗に言われる「スタン落ち」に該当します。

Rotationは2017年11月に施行されており、現在も有効です。

 

Rotationに併せて上記の第1版、及び2サイクルからバランスを考慮してカードが選別され「基本セット第2版(原語版タイトル:Revised Core Set)」として新たにリリースされました。

「第2版の方が良い」ではなく「第2版に置き換える」と言っています。

日本語版リリース時にこの辺りの経緯の説明はありませんでしたが、第2版は再販のついでにカードを入れ替えたのではなく、その後の拡張とセットでデザインされているのです。言い換えればキタラ・サイクル以降の拡張は、第2版用という事にもなるかと思います。


「MWL」は一部のカードを使用禁止とする「removed」と、複数のカードを指定しその中から1種類のみを使用できる制限(選んだ1種類は通常通り3枚まで可)「restricted」で構成されています。

いずれもゲームを破壊する、または楽しさを奪うカードやコンボをどうにかしようという意図で、定期的に公式サイト上で発表されています。

MWLはこれまでその時々の環境にあわせて何度か更新されてきました。最新は「MWL2.2」で、2018年9月に施行されており、現在も有効です。

尚MWL2.0以降は、前述のRotationを前提にして制定されています。例えば特殊なレギュレーションでも、Rotationを採用せずMWLだけ採用する様なケースはあまり無いかと思います。

 

これらのルールはFantasy Flight Games社のWebSiteにて詳細を確認することが出来ます。
(FFG社リンク: Rotationについて/ MWL2.2について

原語環境で特に明言されていない場合、通常はこのRotationと最新のMWLの両ルールに従う事になります(日本語版に無いカードを対戦で使用する場合、原語環境として扱います。)

オープン会や「Jinteki.net」等で不特定の方と対戦する場合は注意しましょう。

 

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[2018/11/19 追記]

尚、原語版環境では2018年12月中旬から有志組織「NISEI」による新しいRotationとMWLが施行されます。

詳しくはこちらのサイトを見て頂ければと思いますが、「System Core 2019」という新しい基本セットが制定され、「Revised Core(日本語版の第2版)」は使用不可となる様です。

「System Core 2019」は製品化される事は無く、また日本語版ではリリースされていないカードを多く含んだ構成の為、本エントリーでは一旦適用は見送る予定です。

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・日本語環境のレギュレーション


一方、日本語版はFantasy Flight Games社のサポート外であり、明示的な禁止/制限はありません。対戦を行う当事者間で決めればよいと言われています。

 

先ほどの拡張の説明の中の「使用禁止」というのはあくまで原語版環境の話で、日本語版でも同様に適用した方が良いというのはごん太個人の判断によるものです。紛らわしくてすみません。

ただ、日本語版でも原語版のように禁止/制限を導入した方が良いと主張するのには、理由があります。

「その方が楽しい」と考えているからです。

 

まず日本語版を販売しているアークライト社は、ネットランナーを「運営」しているという訳ではなく、他のボードゲームと同様に翻訳して販売しているだけなので、既にリリース済みのゲームの内容にまで細かく関わる事は無いと理解しています。

そういったメーカー側のスタンスも鑑みるに、レギュレーションが明確に示されていないのは「日本語版用のルールが管理・周知されていない」だけ、つまり拡張がたくさんリリースされ、更にRotartionを前提とした基本セットの更新が行われたにも関わらず、ルールが未調整のまま野に放たれているのでは無いかという考えです。

 

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※ただし、アークライトの直営店「Role&Role」の大会やブログなどでは、旧MWLが周知・適用されていた時期もあった様です。

また拡張が全てリリースされている訳ではないので、下手に日本語版の独自ルールを決めて原語版と乖離するというのもメーカー、ユーザー共に本意では無いでしょう。内部の事情を知らないので、一概にメーカーを非難する事も出来無いとは思います。

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仮に全てのカードを制限なく使用可とすると、デッキ構築の得意な人が一部カードのパワーやコンボに気付き、相手に理不尽を押し付けるだけの一方的なデッキが許されてしまう可能性があります。

これはゲームとしてはあまり楽しく無いと思いますが、ルールが未調整のままでは実際に発生し得ます。

特に初心者が構築戦を気軽に楽しみたいという時、一部のカードやコンボのおかげでギスギスした対戦になってしまうと、ネットランナーを嫌いになってしまうかもしれません。これはとても悲しい事です。

何が楽しくて何がつまらないかの基準は、人によって異なります。「つまらないデッキは自重して」と言うだけではあまり意味が無く、レギュレーションによって明示的に制限した方が有効ではないでしょうか。

 

禁止/制限を適用すれば全てが解決するというわけではありませんが、未調整のままのルールよりは遥かにましになると思われます。

初心者が多く、基本のゲームコンセプトに忠実な環境を目指すコミュニティほど、禁止/制限を適用した方が楽しいのではないかと、自分は思っています。

 

 

話を戻します。

アークライト社からのルールの提示はありませんが、大会や交流会などでは、バランスを考慮して何らかの禁止/制限を採用している事も多い様です。RotationやMWLをそのまま適用している場合もあれば、もう少し分かりやすく省略している場合もある様です。

もしオープンな対戦会などに参加してみようという場合は、注意書きをよく読んでおきましょう。

ここで、日本国内で採用されていると思われる日本語版でのレギュレーションを幾つか挙げてみたいと思います。

これらはごん太が参加した大会や対戦会、またはWebやTwitterなどで見聞きした情報によるもので、明確なソースに基いているわけではない点はご承知ください。

 


1.基本セットのみ

 

[使用するセット]:「基本セット第2版」のみ、または「基本セット第1版」のみ

 

⇒ネットランナーを購入して入門デッキで遊んだ後、基本セットのカードで軽く構築戦に触れてみるというケースです。初心者会などでは大抵このパターンです。

プールが少なく似たり寄ったりなデッキになりがちですが、カードの使い方や影響値のルールなどを覚えるのには良いかと思います。

基本セットにはネットランナーの面白さが詰まっているため、熟練者があえて基本セットだけで遊ぶという事もままあるようです。

 


2.FFG公式準拠  (スナップショット)  

 

[使用するセット]:「基本セット第2版」、「創造と支配」、「名誉と利潤」、「レッドサンドサイクル」、「キタラサイクル」、「2015ワールドチャンピョンシップデッキ(ランナー/コーポ)」、「2016ワールドチャンピョンシップデッキ(ランナー/コーポ)」


これらにRotationとMWL2.2による禁止/同時使用制限を適用。


※日本語版の禁止/同時制限カードについては、このエントリーの末尾に一覧を用意してみました。よければご参照ください。

 

⇒原語版の公式ルールを日本語版に適用したレギュレーションです。大会やオープンな対戦会、カジュアルな対戦などで採用されています。

日本語版と原語版ではプールが違うのでそのまま適用するのはどうかという意見もありますが、他に基準が無いため取り入れられている事が多い様です。

「バランスが比較的良い」「日本語版としてはカードプールが比較的広い」という特長があります。
「禁止/制限対象のカードが分かりにくい、または情報に辿り着きにくい」のが欠点です。

 


3.第1版とチャンピョンデッキ抜き

 

[使用するセット]:「基本セット第2版」、「創造と支配」、「名誉と利潤」、「レッドサンドサイクル」、「キタラサイクル」

 

⇒日本語版のこまごまとした禁止/制限の対象が分かりにくいため、主に対象となる「基本セット第1版」と「チャンピョンデッキ」各種を丸ごと使用不可としたレギュレーションです。

基本セットを第1版と第2版から選択式にしているケースもあるそうです。

「バランスが比較的良い」「禁止カードがセット単位なので分かりやすい」という特長があります。

「ランナーではアナーク、コーポではNBNのカードが少ない」のが欠点です。(ウェイランドはどっちにしても少な目です…)

オープンな対戦会や、カジュアルな対戦などで採用されている場合があるようです。
 


4.制限なし

 

[使用するセット]:「基本セット(第1版)」、「基本セット第2版」、「創造と支配」、「名誉と利潤」、「レッドサンドサイクル」、「キタラサイクル」、「2015ワールドチャンピョンシップデッキ(ランナー/コーポ)」、「2016ワールドチャンピョンシップデッキ(ランナー/コーポ)」

 

⇒日本語版の全てのカードを自由に使用します。カジュアルな対戦で採用されている場合があるようです。せっかく買ったカードが一度も使えないというのも寂しいので、試しに制限無しでやってみるというのはアリかもしれません。

 

以上ですが、日本語版で構築戦を本格的にはじめてみたいという方には、個人的には上記の「2」または「3」をお勧めしています

 

 

■おわりに

 

今回はデッキ構築の前提として、どんな拡張があるか、また原語版および日本語版での構築レギュレーションに触れてみました。

ところで、日本国内でアンドロイド:ネットランナーを所持している人の多くは「ボードゲーム」の1つとして購入しているのではないかと思います。自分もその内の一人です。

そして、多くのボードゲーマーは「1つのゲームを多くても数回遊んでおしまい」というケースが多く、ネットランナーに限って言えば「1回遊んで積んだ」「ルールを読んだだけ」というパターンが多いのではないかと思っています。

そういった方々が久しぶりに棚の奥からネットランナーを引っ張り出して「やってみると案外楽しい」とSNSなどに写真をアップされているのは、ファンとしては嬉しい事です。

そこへ来て「そのカードはローテーション落ちしています」と水を差すのはどうかと思う部分もありつつ、一方で本格的に遊びたいという方にとっては、圧倒的な日本語の情報不足感も否めないと思っています。

特に初心者向けのドキュメントが少なく、「ゲーム紹介」的な記事と、「既にある程度やり込んでいる人」向けの両極端になっているように思います。

本エントリーではそれらの間を繋ぐようなものになればと思っていますので、興味のある方は宜しければお付き合い頂ければ幸いです。

 

次回は「2度目のネットランナー(3) 「デッキをどう組むか? [2]コーポの構築」」の予定です。


ごん太

 

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□日本語版環境の禁止/制限対象カード 一覧

 

以下は2018/10/27時点の、アンドロイド:ネットランナー完全日本語版にRotation, NAPD MWL2.2を適用した場合の、禁止/同時使用制限カードの一覧です。

※有志組織「NISEI」の制定したRotation及びStandard MWL3.0を考慮していません。

 

================= 禁止カード =================

※以下のカードは使用できません

 

■基本セット第1版

<コーポ>
「ハースバイオロイド:未来を設計」
「促進βテスト」
「企業のトラブルシューター」
「経験的データ」
「セル・ポータル」
「データ・マイン」
「財閥の忠誠」
「チャム」
「アキタロー・ワタナベ」
「予知」
「臨時ニュース」
「衛星広告の試行」
「サンサン・シティーグリッド」
「マトリクス・アナライザー」
「賞金の提示」
「焦土」
「保安下請け」
「強引な交渉」
「研究本部」


<ランナー>
「ノイズ:非凡なるハッカー」
「既視感」
「パラサイト」
「ヨグ.0」
「グリモア」
「コローダー」
「ワーム」
「メディウム」
「ワイルドサイド」
「ジン」
「デスペラード」
「ニンジャ」
「口座の吸い上げ」
「データ売人」
「レムリア・コードクラッカー」
「囮」
「ケイト・"マック"・マキャフリー:デジタル修繕屋」
「ザ・ツールボックス」
「ネット・シールド」
「アカマツ・メモリーチップ」
「グローバルセックへのアクセス」

 

■基本セット第2版

<コーポ>
なし

 

<ランナー>
なし

 

■創造と支配

<コーポ>
「セレブラル・イメージング」

 

<ランナー>
なし


■名誉と利潤

<コーポ>
なし

 

<ランナー>
なし

 

■レッドサンド・サイクル

<コーポ>
なし

 

<ランナー>
「火星は火星人の手に」
「回収済みヴァナディス武器庫」
「ブルー・ムース」

 

■キタラ・サイクル

<コーポ>
なし

 

<ランナー>
「ゼロ」


■2015ワールドチャンピョン コーポデッキ「未来工学」

<コーポ>
「促進βテスト」
「ニューアンゼルス警察との契約」
「イブキャンペーン」
「ジャクソン・ハワード」
「カプリース・ニセイ」
「イーライ 1.0」


■2015ワールドチャンピョン ランナーデッキ「バレンシア」

<ランナー>
「口座の吸い上げ」
「脅迫状」
「クイーンズ・ギャンビット」
「データ漏洩逆流」
「ジョシュア B」
「ファウスト」


■2016ワールドチャンピョン コーポデッキ 「メッセージの支配」

<コーポ>
「臨時ニュース」
「衛星広告の試行」
「ジャクソン・ハワード」
「感応放画俳優協会」
「サンサン・シティーグリッド」
「視聴率調査週間」


■2016ワールドチャンピョン ランナーデッキ「フィザード」

<ランナー>
「フィザード:マスターゲーマー」
「既視感」
「テムジンとの契約」
「プラスクレート外殻」
「メディウム」
「パラサイト」


================= 同時使用制限カード =================

※以下のカードは同時に使用することが出来ません。
(コーポ・ランナーから各1種類だけを使用する事が出来ます。1種類であれば通常通り3枚まで使用可能です。)


<コーポ>
「オボカタ・プロトコル」
「世界食糧構想」
「黄埔開拓」
「サーベイヤー」

 

<ランナー>
「猛突進」
「レヴィAR研究所へのアクセス」
「従業員のストライキ」
「イソップ質店」
「マグナム・オプス」
「インバーシフィケイター」

 

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  • 2019.11.24 Sunday
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    コメント
    更新お疲れ様です。
    デッキ構築の前提情報が全てまとめられており、
    とてもいい記事でした!
    次回も楽しみです。

    ちなみにごん太さんは、
    原語版のカードをどのように使用していますか?
    日本語訳シールを貼ったりしているのでしょうか。
    原語版の大拡張購入を検討しており、
    参考にさせていただければと思いました。
    • ミカヅチ
    • 2018/11/03 10:32 PM
    コメントありがとうございます!
    記事を書く励みになります。

    原語版ですが、自分は和訳などは貼らずにそのまま使用しています。
    はじめは和訳シールを貼ろうかと思っていたのですが、拡張を買い足す内に数が膨れ上がり、結局諦めました。
    また、カードの細かい裁定などを調べる内にネットランナー独特の英語表現に慣れ、必要無くなって来たというのもあると思います。
    原語版を使用して対戦するときは相手も同じように原語版を所持しているので、和訳が無いからゲームに詰まったという事も今のところないです。
    原語版を含めて遊ぶ場合は海外サイトを参照することが多くなり結局は英語は切り離せないので、今ではむしろそのままの方が良いのではと思う様になりました。

    ただ遊ぶ環境にもよると思いますので(自分の場合はよく遊んでくださる方が英語慣れしているので…)、もしゲーム進行の妨げになるようであれば和訳を貼った方が良いかもしれません。
    参考になれば幸いです。
    • ごん太
    • 2018/11/05 8:53 PM
    ご回答ありがとうございます。

    たしかにネットランナーの英語表現は、
    慣れてしまえば理解しやすいように感じました。
    環境にもよりますが、
    特に和訳しなくてもなんとかなるのかもしれないですね。

    日本語版の発売が今後どうなるか次第ですが、
    原語版購入時の参考にさせていただきます。
    (アークライトの方では海外動向待ちだそうなので
    どうなるかわかりませんが・・・)

    ありがとうございました!
    • ミカヅチ
    • 2018/11/05 9:57 PM
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